2017.09.26更新

ピルで起こる重篤な副作用である血栓症とは

ピルを内服することで起こる重篤な副作用に血栓症があります。
血栓症は血が固まりやすくなり、血管の中で血の塊ができてしまう病気です。
血の塊が、血管内を通っていると、血管が狭くなっているところで、ひっかかり、そのまま血管をつまらせてしまうことがあります。
つまらせてしまった血管が、身体の重要な臓器の血管である場合には、その臓器は機能しなくなり、命の危険がでてきてしまいます。

ピルには、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが入っており、それらが内服により体内に入ることで、身体の中でホルモンのバランスが崩れがちになります。
そのことでピルの内服による副作用が起こってしまいます。

エストロゲンには血を固まりやすくする作用があります。
プロゲステロンには悪玉コレステロールの増加や、糖の代謝異常を引き起こす作用があり、それらが動脈硬化や血管異常を起こしやすくします。
このふたつのホルモンのバランスが保たれていると、血が固まりやすくなることはありませんが、もともと体内にある女性ホルモンに加えてピルによる女性ホルモンの追加が行われることで、体内のホルモンバランスが崩れやすくなり、その状態では、血が固まりやすくなってしまうのです。

ピルに含まれるホルモンの量が多いと、その分バランスは崩れやすくなるので、血栓症のリスクも大きくなります。
含まれるホルモンの量が少ないほうが、血栓症のリスクは低くなります。

血栓症は重篤になる前に予防することができます。
血栓ができやすい状態になると、血の流れが悪くなることで症状が起こります。
足の血管の流れが悪くなると、足に違和感を感じます。
しびれてきたり、だるい感じがします。

頭の血管の流れが悪くなると、頭痛や吐き気がしたりします。
お腹の血流が悪くなると腹痛を感じます。
そういった症状を感じたら、すぐに主治医に報告しましょう。
血栓は足で起こることが多いので、足の状態は特に入念にチェックすようにしましょう。
また血栓症の症状は片方だけ出ることが多いので、それも覚えておきましょう。

喫煙が血栓症のリスクを高める

喫煙女性ピルを飲むことで起こる血栓症は、いくつかの原因でリスクが上昇することがわかっています。
そのひとつが喫煙です。
喫煙をすると血管が収縮するため、つまりやすくなっている血管がさらに狭くなり、血流を悪くしたり、完全に血管がつまってしまうことが起こりやすくなります。

また40歳以上であることや、肥満の方も血栓症のリスクが高くなることがわかっています。
40歳以上であることや、肥満である状態は、もともと血管が細くなりやすく、ピルを飲んでいなくても、血管がつまってしまう可能性が他の人に比べて、少し高いからです。
もともと、リスクがあるので、さらにリスクを上乗せすると、当然血栓症のリスクは高くなります。

ピルにはこういった副作用以外に、頭痛、吐き気、不正出血などが起こることがあります。
しかし、避妊以外のメリットも、他にあります。
そのひとつが卵巣がんの予防効果です。
卵巣が排卵することが負担となり、それがもとで卵巣がんが発症すると考えられています。
ピルを飲むことで排卵を抑制するので、その分卵巣の負担を減らすことができ、結果的に卵巣がんの予防効果が期待できます。

また、ピルを飲むことに身体が慣れてくると、ホルモンの急激な変化が起こらなくなるので、ホルモンバランスを保ちやすく、その結果、生理不順が改善し、安定して生理がくるようになります。
更年期にピルの内服をすることで、不順になってしまった生理が定期的にくるようになり、さらには更年期特有の不正出血も改善することがあります。
ピルを飲むことで、こういった別のメリットの恩恵を受けることができます。
ピルには、あまり知られていないこういったメリットもあることを知っておきましょう。